小室等が語る「フォーク」の流れと現在 六文銭&上条恒彦「出発の歌」から始まった

公開日: 更新日:

 11月11日、小室等さんがリーダーの六文銭などが活躍したベルウッド・レコードの50周年記念コンサートが開催される。六文銭、あがた森魚、伊藤銀次、大塚まさじら錚々たるメンバーが一堂に会する音楽の一大イベントだ。小室さんに話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ベルウッド・レコードはキングレコード内に当初はフォーク系の楽曲を制作するために設立されたレーベル。レーベル設立は1972年。きっかけは六文銭と上條恒彦が歌った「出発(たびだち)の歌」だった。

 僕がベルウッドでやる前は、レコード業界でフォークという認識がまだできていなかった時代です。学生の間でガヤガヤしている連中がこの世界に紛れ込んできた、そんな感じでした。その中でフォークの世界をつくった人といえば、キングの三浦光紀さんです。

■世界歌謡祭でグランプリ

「出発の歌」がヤマハ主催の「第2回世界歌謡祭」でグランプリを受賞したのは72年です。ヤマハは前年にもっと作曲家がハイライトされていいというコンセプトで「合歓ポピュラーフェスティバル」を開きました。その際、毛色の変わったジャンルを入れようと考えたらしくヤマハから僕にも曲を書くようにと依頼があり、思い当たったのが上條恒彦さんでした。

 当時、上條さんが出ていた「銀巴里」というシャンソン喫茶に通っていましてね。上條さんは例えれば、黒人歌手のハリー・ベラフォンテをもっとたくましくした感じの朗々とした歌いっぷり。すげえ人がいるなと思っていました。それで僕は上條さんに歌をお願いすることにしました。たまたまですが、上條さんも僕にコンタクトを取り、自分の持ち歌を書いてもらえたらという思いがあったようです。

 最初の「アルカディア」はかすりもしなかったですね。その頃、六文銭の活動にのめり込んでいました。なので、次は六文銭と上條さんをドッキングさせ、リベンジしようと思って作ったのが「出発の歌」です。

 でも、まさか歌謡祭でグランプリどころか、賞にひっかかるとは思ってもいなかった。だから、あの日は休憩になる頃に帰り支度をしていたほどです。すると、スタッフに最後まで残っていてと呼び止められ、それでも何もないじゃないかと言っていたら、最後の最後、グランプリで名前を呼ばれた。ドヒャーでした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  4. 4

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  5. 5

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  1. 6

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  2. 7

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  3. 8

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  4. 9

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”