健康寿命は経済力で決まる(3)入院中の食事代に見る日本の貧しさ
東京の築地界隈では、裕福なインバウンドたちが、何千円もする昼食に「安い!」といって群がり、日本人サラリーマンたちはそれを横目に見ながら、ワンコイン弁当に群がっているのだとか。
ところでワンコインといえば、入院の1食当たりの食費とほぼ同額です。正式には「入院時食事療養費」といいますが、今年の6月から、1食当たりの患者負担が490円になりました。物価高騰に対処するためです。
入院中の食費は、実は患者負担分と保険からの給付分の合計になっています。平成9年に1日(3食)当たり1920円と定められ、うち760円が患者負担、残りが保険給付となりました。
その後は昨年までこの1920円という金額は固定のまま、患者と保険の負担割合だけが変更され続けてきました。今年の5月以前は、1食当たり患者460円、保険180円(1日3食換算で患者1380円、保険540円)でした。それが6月から、患者分が30円(1日換算で90円)値上がりしたのです。保険給付分は据え置きなので、1日換算で2010円です。