冬こそ用心…ひび割れ、あかぎれと思ったら水虫だった
趾間型や小水疱型は、皮膚が白癬菌を追い出そうとバトルするため、かゆみなどの症状が強くなる。
一方、角質増殖型は皮膚と白癬菌が共存している状態で、自覚症状はほとんどないし、なかなか悪化しない。そのため、治療せずに放置している人がたくさんいるという。
「ただ、そのまま放置していると家族にも感染しますし、白癬菌が自分のお腹や股にうつってゼニタムシやインキンタムシになります。糖尿病の人は、2次感染によって指が壊疽(えそ)を起こす場合もあるので、たかが水虫と侮ってはいけません」(楠院長)
<「角質増殖型」は見分けづらい>
また、角質増殖型は他に似ている病気がたくさんあるから厄介だ。かかとが硬くなる角化症、ドライスキンになる乾皮症、ひびやあかぎれが悪化した湿疹、赤い発疹やフケのような鱗屑(りんせつ)を伴う乾癬などと誤診される場合も多いという。
「病気によって、保湿剤、ステロイド、ビタミンD 3など、それぞれ違う薬を使うので、自分の判断で市販薬を使い続けていると、トラブルが発生する恐れもあります。趾間型や小水疱型は、市販の塗り薬でも症状は改善しますが、角質増殖型は、基本的に飲み薬でなければ治りません。角質増殖型の人は爪に水虫を持っているケースが多い。冬になるとかかとが割れ、爪が白く濁っている人は、専門家の診察を受けて、自分に合った薬を処方してもらった方がいいでしょう」(楠院長)