認知症を早期発見する「脳萎縮解析検査」のスゴさ
これは、MRIの画像を専用のソフトウエアで処理する検査で、脳の萎縮の有無を判定できる。同年代の標準的な脳のデータと、検査を受けた人のデータを比較し、萎縮の程度を0~3の数値で表示する。
アルツハイマーで、最初から出てくる症状である認知機能や記憶障害は、脳の一部である海馬が萎縮することで生じる。
「これまではMRIの画像を専門家が目で見て読影していたのが、脳萎縮解析検査を使えば、標準的な脳と検査を受けた人の脳の違いが数値で一目瞭然です。もちろん、最終的に脳神経外科医がチェックして判断する必要がありますが、脳萎縮解析検査によって、医師の読影だけでは難しかった早期の認知症リスクを発見できるようになったと思います」
数値で2を超えると、認知症の疑いが強いとみなされ、冒頭で紹介した認知機能検査が行われる。
ちなみに、脳の機能に影響は出ていないが、飲酒量が多い人は前頭葉に萎縮が見られることが多いという。
脳萎縮解析検査は、人間ドックや脳ドックの一部に組み込まれていたり、オプションとして追加できる場合が多い。どうせ高いお金を出して受けるなら、上手に役立てたい。笹沼院長が強調するのは、認知症は老化現象によって起こるものではなく、生活習慣病の成れの果てと考えるべきだということだ。