患者800万人 カラオケ歌えないのはドライマウスのせい?
■薬剤の副作用
残り9割のドライマウスは、原因が多岐にわたっている。心因性、筋力低下、口呼吸などで、これらが複雑に絡み合っている。
「ストレスを強く感じるとどんな人でも唾液の分泌が悪くなります。心因性のドライマウスは、その傾向が強い。また、加齢とともに筋力が落ち、寝ている時などに舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。すると、口がぽっかり開いて、口腔内が乾きやすくなります。口を普段からポカンと開けるクセがある口呼吸の人も、やはり口の中が乾きやすくなります」
就寝中に無呼吸の状態を繰り返す睡眠時無呼吸症候群の人も、口を開けて寝ているので、ドライマウスになりやすい。
さらに深刻なのは、薬剤の副作用によるもの。
「口が乾く副作用がある薬は多い。これらを長期にわたって服用していると、唾液を分泌する機能が低下して、慢性的なドライマウスになりやすいのです。すると、薬をやめてもすぐにドライマウスが改善されない。また、ドライマウスの患者さんには、病院で抗うつ薬や抗不安薬を処方され、それらの副作用で一層ドライマウスが悪化している人もいます」