狭心症や心筋梗塞を誘発 血圧を下げすぎると命が危ない
「血圧はさまざまな要因で変動しやすいものです。朝は上がって、夜は下がりますし、暑いと下がり、寒いと上がります。深呼吸した程度でも変わるほどで、自分の正確な血圧を把握できている人は少ない。一般的に、病院で計測した血圧より、家庭血圧の方が低めですが、クスリの量は診察時の血圧によって決められることが多い。血圧が高いからと降圧剤を服用していたら、下がりすぎてしまい、命に関わる病気や事故を引き起こすケースもあります。とりわけ、血圧が不安定な高齢者は注意が必要です」
高齢になると加齢による動脈硬化が進んで、血管が硬い状態になっている。心臓が血液を送り出す時にはそれだけ力が必要になるため、収縮期血圧=最高血圧は上がる。
逆に心臓に血液を戻す時は、膨らんだ動脈が元に戻ろうとする力が弱いため、拡張期血圧=最低血圧は下がる。さらに、血管内に血液をためておく容量も減っているので血圧を維持できない。
高齢者の血圧は上が高くても下は低いから、下手に降圧剤を飲むと下がりすぎてしまうのだ。