薬で治療だけじゃない 手術で治る「内側側頭葉てんかん」

公開日: 更新日:

 てんかんは、脳の神経細胞の一部が異常な電気発射を行うことがきっかけで、発作を繰り返す病気だ。抗てんかん薬の服用が治療の中心になるが、中には手術で治るてんかんもある。「内側側頭葉てんかん」だ。東京医科歯科大学脳神経機能外科学分野・前原健寿教授に聞いた。

 内側側頭葉てんかんは大脳の側頭葉の内側(海馬、扁桃体)に異常な電気発射が起こるてんかんだ。症状は「意識を失う」。これが30秒ほど続く。手足や口元をもそもそ動かすこともある。一般的には、内側側頭葉てんかんは「動作が止まり、一点を見つめながらボーッとしているだけ」というように周囲に映る。

「見た目にはてんかん発作と分かりにくい。しかし、治療せずにいると、思わぬ事故を招いてしまうことがあります。たとえば、料理している時に発作を起こすと、その間は意識がないので、ガスの火で手が燃えていても気がつきません。入浴中に発作を起こすと、溺死の危険があります」

 運転中に意識を失うこともあり、交通事故のリスクも高まる。さらに、てんかん発作を繰り返すと、脳のダメージが加わり記憶力が低下したり、うつ状態になることもある。内側側頭葉てんかんでない人の8倍、突然死のリスクが高いという指摘もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動