肉体と神経くたびれ…肩凝りが全身痛「頚肩腕症候群」を招く
「上肢作業による動的・静的な肉体的疲労と、脳の慢性的な神経疲労の2つが要因となっています。肉体的疲労は本人や周囲も気づきやすいが、神経疲労はその度合いが分かりにくい。そのため、『まだ頑張れる』となってしまう。そして最初は首や肩のひどい凝り、腕の痛み、しびれるといった程度だったのが、次第に全身に痛みが広がり、仕事を続けるのが困難になる人が珍しくありません」
■精神的ストレスで一気に進行
「リストラで社員が減って仕事の荷重が大きくなった」「体調不良で仕事をする能力が落ちたのに仕事量はそのまま」といったことがきっかけになって、一気に症状が進むこともある。
「睡眠や休養を十分に取れている時を『黒字』、仕事量がオーバーしている時を『赤字』とすると、1週間単位で調整して結果的に黒字にできれば、頚肩腕症候群にはならない。ところが、赤字が続くと、頚肩腕症候群に至り、重症化する恐れがあるのです」
厄介なことに、レントゲンなどの画像診断では発見できない。整形外科に行っても「異常なし」「原因不明」と言われ、医療機関を転々とする人も少なくない。