作家・山本一力氏が語る「ノルディックウオーキング」の魅力
■上り坂が大好きに
ノルディックウオーキングは、単にポールを持って歩くことではないんだな。腕の振りが必ずいる。ポールを上に持ち上げ、突き落とす位置が大事。それに手のひらのグーパーが連動する。そうすることで、普通に歩いたのでは使わない筋肉を動かし、運動になる。間違ったやり方をすると、“杖”になってしまい、体には意味がない。
大事なのは、自己流でやらずに、ちゃんと基本を体に叩き込むこと。いろはの“い”から始めれば、体が忘れないから、結局は得。読者の皆さんには、「とにかく基本をやれ」とくどいくらい言いたいんだな。教室などに行かなくても、教則本やDVDで十分にできる。中途半端に身に付けた人に学ぶより、DVDの方がよほどいいと思うよ。
ノルディックウオーキングを始めてから、上り坂が大好きになった。上ると本当にうれしくなる。このために行っているのが熱海で、神楽坂よりきつい傾斜が延々と続く。
熱海はどこもいい。山だと自然破壊の問題があるが、熱海は舗装された山道で車もそんなに来ないから、最高なんだな。十国峠に続く道に何度か泊まった宿がある。この間は3泊し、朝に下って上って、昼飯の後も下って上って、夜も電気をつけて下って上った。温泉との相性も本当にいい。ブンブン上り下りをやって、湯につかって体をほぐし、翌日も上り下り。最高の贅沢だよ。おかげで血圧も低く、体に悪いところはどこもない。