脊柱管狭窄症は「どのくらい歩きたいか」で治療法が変わる
Aさんは調子がいい時は1時間ほど歩けるが、悪い時は15分ほどで足が痛くなり歩けなくなる。Bさんは、歩ける時間は最長で30分、最短で10分だ。
AさんとBさんを単純に比較すると、歩ける時間が短いBさんの方が積極的な治療が必要に思える。しかし、脊柱管狭窄症ではそうとは限らない。
「Aさんは野鳥の写真撮影が趣味で、長時間歩くことが多く、15分ほどで歩けなくなることに不満を抱いている。一方、Bさんはほぼ車移動で、自分で歩く時間はごく短く、10分しか歩けなくても問題を感じていません。つまり、積極的な治療を必要としているのはAさんで、Bさんはそうでもないということになります」
「家から駅までの道のりが徒歩20分。足が痛くてその距離を歩けないので困っている」「旅行が好き。友達と長時間歩き回れるようになりたい」など、人それぞれ、生活スタイルや生き方によって、必要とする“歩ける時間”は違う。間欠性跛行で歩けなくなるまでの時間と、治療の効き目を対比させ、治療法を決める必要があるのだ。
■“歩ける時間”が得られないなら手術も