【断らない救急医療】埼玉石心会病院・救急科(埼玉県狭山市)
「救急科で初期治療(初療)をする初療室が3床あり、それ以上の患者さんを受け入れられるホールディングルームが13床あります。普通は初療室だけなので、これほどのスペースを使った2次救急病院は近隣にはありません」
■12人の救急救命士が救急車の要請に対応
いわゆる「タライ回し」といわれる病院が救急搬送を拒否する理由には「専門の医師がいない」「他の患者で手がいっぱい」「ベッドの空きがない」などが多い。その問題点を解消した体制をとっていることが、「断らない救急医療」を実践できている理由だ。迅速な対応ができるのは、救急救命士の働きが大きい。
普通、救急救命士の多くは消防署に所属して患者を搬送する側。病院に所属するケースがあっても、せいぜい1~2人だ。それが同科では12人もの救急救命士が在籍する。
「救急車からのホットラインの受け入れ対応は、救急救命士同士でやりとりした方が正確で話が早いのです。急性期病院なので、他院への転院調整や患者さんの転院搬送なども救急救命士が担当しています」