筋肉痛に湿布では不十分 中高年の運動後の痛みには漢方薬
運動や山歩きなど、いつも以上に体を動かした後、体の痛みが出てきたら、湿布より漢方薬がいい。
「中高年の運動後の痛みは、若者と違い、老化現象が関係しています」
こう指摘するのは、筑波大学付属病院臨床教授で日本東洋医学会専門医の加藤士郎医師。運動後の体の痛みには湿布薬がよく用いられるが、それで患部を温める・冷やすだけでは不十分。“中”から効かせなければダメなのだ。
■腰などの痛み+疲労感と冷え
漢方薬を選ぶ場合、スポーツ後の体の痛みに加え、さらにどういった症状があるかに着目しなくてはならない。痛みとともに、疲労感や冷えがあれば、お勧めなのは「八味地黄丸」だ。
「8種類の生薬が含まれており、そのうち地黄、山茱萸、山薬の3種が疲労を回復させます。さらに附子、桂皮という2種の生薬が体を温め代謝を高めます」
40代を過ぎると、自然の摂理では「初老」に分類され、代謝が落ちる。すると体が冷えやすく、疲労物質である乳酸が体外に排出されにくい。乳酸は体を冷やす作用があるので悪循環だ。八味地黄丸は、それらの対策に有効なのだ。