予備校が授業・卒業判定に関与する薬学部教育のデタラメ

公開日: 更新日:

 医学部でも国家試験対策を行っている大学はいくらでもあります。しかし、それが大学の正規の授業を圧迫しているばかりか卒業判定にまで影響されているなんて聞いたことがありません。

 薬剤師は、医師、歯科医師とともに6年制教育となり、より専門的な知識を得たうえで国家試験に臨み、それをパスすることで人の命を預かる医療の一翼を担うことになります。しかし、大学にしても学生にしても、その覚悟が乏し過ぎると言わざるを得ません。

 薬学部の標準修業年限卒業率(規定の年数で卒業する学生の比率)は2015年で71.2%。退学率は9.3%と、7.7%の歯学部や、1.6%の医学部に比べて飛び抜けて高い。これも、能力・意欲に問題がある学生がいかに多いか、ということの証拠ではないでしょうか?

 薬剤師には処方箋の内容に対して医師に問い合わせできる「疑義照会」という権限があります。しかし、こんな薬学部教育の実情を知ると、「疑義照会」にも素直に耳を傾けるのがバカバカしくなってしまいます。

【連載】当事者たちが明かす「医療のウラ側」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド