【老衰】「お茶がいい」は決定打にならず 静岡県1位の理由
最後は医者の癖?
確かに、がんによる死亡率を見ると静岡は男性が39位で、女性は38位、心疾患は男女とも29位だ。いずれも平均を下回っている。
「お茶やみかん、魚中心の食生活がプラスに働いているといわれ、その手の論文も多いのですが、どれも“そうかもしれないね”というレベル。決定打となるエビデンスはありません。もっとも、温暖でのんびりした気候、生活に不便を感じない程度の田舎であることは、心身を健康に保つ要素であるのは確かでしょうね」(永田氏)
静岡式の食事や暮らしだけが幸せな老衰死を招くと言い切れないのは、“医者の癖”も影響している可能性があるからだという。
「死因を老衰とするのは、ほかに死につながるような病気がないときですが、医者によってはその場合に肺炎と診断したりします。静岡は肺炎の死亡率が男性42位、女性40位と低い。もしかすると他県では肺炎としているケースでも、老衰としている医者が多いのかもしれませんね」(永田氏)
まあ、それでも、がんや心臓病といった長期の苦痛を伴う病気で亡くなる人が少ないことに変わりはない。