【がん死亡者】青森県11年連続1位の要因と糖尿病の関係
男性は3人に2人、女性は2人に1人ががんになる時代、がんの死亡者が最も多いのが青森だ。「男女計」と「男」が2004年から11年連続で1位。最新の2015年のデータでは、人口10万人当たり約201人。最も少ない長野のおよそ1.5倍だ。
青森県健康福祉部がん・生活習慣病対策課は、「進行してからがんが発見される割合が高く、早期発見が少ない」ことが、がん死亡率が高い要因としている。人口10万人当たりのがんの罹患率と死亡率を比べると、男性の場合、罹患率は442で、全国平均を7下回っているのに、死亡率は全国平均を38.9上回る218だ。
このギャップが生まれる要因が早期発見の少なさとして、なぜそうなるのか。聖路加国際病院内科名誉医長で「西崎クリニック」院長の西崎統氏は「糖尿病との関係」を指摘してこう言う。
「糖尿病はメタボとの関係で心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクと説明されますが、その説明では不十分。実は、糖尿病はがんを呼び寄せるリスクでもあるのです」
2年前、肝内胆管がんで亡くなった柔道五輪金メダリストの斉藤仁さん(享年54=青森市出身)は亡くなる直前、「糖尿病の食事療法で痩せ過ぎた」と気丈に振る舞っていたが、その裏にがんの影響があったようだ。