セカンドオピニオンで「担当医が酷い」と訴える患者も
診療情報提供書やCT検査などから病状は悪化しており、担当医の診断に間違いはないと判断できました。ところが、Bさんの訴えは、この病状悪化についてではなく、「担当医から酷いことを言われた」ということでした。
抗がん剤治療を始める前、担当医から「無治療の選択もあります」と言われたが、それは「治療しても意味がない」ということではないか? そして、化学療法の点滴を行うたびに「この治療が効かなくなったら緩和しかありません」と繰り返し言われ、途中でがんと闘う気力がなくなって本当にイヤになったというのです。
■治療は患者さんと医療者の共同作業
さらに、今回は「化学療法が効かなかったので、もう治療法はありません」と告げられ、セカンドオピニオンを申し出たら「好きな病院に行っていいですよ」と言われたといいます。Bさんは「担当医のところには絶対に戻りたくない。こちらで治療を受けたい」と強く希望されていました。
Bさんの場合、以前から医師に言われた気に入らない言葉の数々に不満を持っていて、これが治療中止、病状の悪化の宣告を受けたことをきっかけにして、一気に憤りが表れたのだと思いました。治療効果があって、病状が良くなっている場合は、医師の気に入らない言動にも患者さんは我慢して過ごされることが多いように感じます。また、「これまで治療を親身になってしっかり行ってくれた。一生懸命やってくれた」と患者さんが感じている場合は、病状の悪化を告げられても受け入れられることが多い印象です。