鎮痛薬を飲んで横になっても重い生理痛が治まらないのは?
上場企業なら、生理休暇が認められているケースは少なくない。そんな時代の流れだけに、昭和の男性みたいに「ガマンしろ」は論外で、ネットには男性に女性の痛みを理解させるようなマンガがアップされている。それにしても市販の鎮痛薬を飲んでも痛みが治まらないのはなぜか。
医薬情報研究所「エス・アイ・シー」医薬情報部門責任者で、薬剤師の堀美智子氏が言う。
「子宮には、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮体がんなどの病気があります。そういう病気があると、ロキソニンに代表される非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)でも効きません。そういう病気がなくても、症状の重さに対して軽い鎮痛剤が選択されると、痛みが治まらないことが少なからずあります」
妻や部下が生理痛で寝込まなければいけないほどの状況は、子宮に何らかの持病が潜んでいて市販薬が効かない可能性が高いという。
ほかに市販の鎮痛薬が効きにくいのが、片頭痛を合併するケースだ。
「片頭痛と生理痛がダブルで苦しい方は、片頭痛の痛み止めでないと効きません。ところが、これは市販薬にないのです」
寝込むほど症状が重いときは、受診したくても受診できない。自分の周りにそういう女性がいるときは、生理でないときに受診しやすい環境をつくることが大切だろう。