ノロウイルスは心臓にも大きな負担をかける
ノロウイルスによる下痢と嘔吐は想像以上にひどいもので、完全に寝込みました。判断力にも問題が出るような状態で、あれでは患者さんに対してベストな医療を提供できるはずもありませんでした。それくらい、きつい症状に見舞われました。
ノロウイルスは、ウイルスを保有しているカキや貝類を加熱せずに食べたことによって感染しますが、それ以上の感染ルートがあります。半数以上は、感染者が十分に手を洗わずに調理した食品を食べたり、感染者の吐瀉物や糞便を処理した際に感染しているのです。また、ノロウイルスは感染力が強く、10~100個ほど口に入っただけで感染します。しかも、冬場は1週間以上も生き続けるケースもあり、感染者は、症状が消えてもしばらくはウイルスを排出するといわれています。感染を拡大させないためにも、おかしいなと思ったら放置せず、すぐに医療機関にかかりましょう。自分だけの目線で考えてはいけません。
ウイルスなので抗生物質が効かず、有効なワクチンも開発されていません。アルコール消毒も効かないので、予防のためには、石鹸を使った30秒以上の手洗いでウイルスを洗い流すことを心がけてください。