孤独<6>遺伝子検査で自殺リスクが分かる?
SKA2遺伝子の働きが低下すると、不安感が増すため、抗ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が上昇することも分かってきました。コルチゾールは、ストレスからわれわれを守る大切な働きを担っています。
しかし、先日もお伝えしたとおり、血中濃度が高い状態が続くと、高血圧、高血糖、寝不足など、体にさまざまな悪影響が出やすくなります。
このように、SKA2遺伝子のエピジェネティクスは、孤独による健康問題や自殺問題を理解する上で、重要なカギのひとつになりそうです。
しかし残念ながらSKA2遺伝子がメチル化されているかどうかは、簡単に調べることができません。そのため、世界中の研究者や製薬会社が、血液などから簡単に自殺を予測できる検査方法を開発しようと、しのぎを削っています。現時点では、うつ病や双極性障害(いわゆるそううつ病)の血液検査が開発されつつあります。近未来には「孤独度」や「自殺確率」を数値化できる検査が登場するかもしれません。