前立腺がん早期治療 トモセラピーのメリットとデメリット
トモセラピーはCT画像撮影によって前立腺と、近くの直腸、膀胱の位置を確認しながら、前立腺がんにだけ大量に放射線を当てられる。これまでの放射線治療になかった「360度らせん状照射」が可能で、線量の集中性が際立っている。
「前立腺は排尿、排便、おなら、わずかな体位の変化などで位置がズレます。ミリ単位のズレでも治療成績は落ち、周囲の重要臓器へダメージを与える。トモセラピーは一体化されたCTで位置を調整しながら照射できるため、より高い精度が保証され、それによって良好な治療成績、安全性を保てるのです」
一般的に、治療は外来で2グレイ(放射線量)×週5日、合計38回、総線量76グレイを行う。仕事と両立できる。
「米国では86グレイなど高い放射線量で行うところもありますが、治療後5年以降、尿道障害が多発するとの報告があります。日本では75~80グレイで治療を行うようになっています」
放射線治療としては、陽子線や重粒子線といった粒子線療法も4月から保険適用になる。新たな選択肢が加わる。