がんの転移があるのかないのか… 患者の不安は大きい
患者はがんと診断されただけでもショックなのに、たとえそれを受け入れても、早期なのか、手術で取りきれるのか、転移はあるのか……ずっと不安が募ります。
転移はなかった。良かった。手術することが決まった。それでも、今度は手術を受けるまで待っている期間の心配もあります。
東北のある町で開業されている医師は、こんな経験をされています。定期健診で右肺に1センチ程度の影が見つかり、それから2年ほど同じ大きさだったものが、1・3センチと少し大きくなったため、大学病院を紹介されて切除することになりました。ところが、2カ月待っても手術の日が決まりません。
共通の友人を通して、その医師から東京にいる私のところに問い合わせがありました。
「そちらの病院は、どのくらいの待ちですか? 早く手術してもらえるなら、そちらに行きたい」 たとえ医師でも、やっぱり心配なのです。がんが急に進むことはないと分かっていても、「待つ身」は落ち着かない。本人しか分からない不安な日々なのです。