近未来の手術室「スマート治療室」の開発が進んでいる
「パッケージされた機器は『オペリンク』というシステムで結ばれ、現在、40種くらいの機器とネットワーク化できます。このシステムを国際標準にしたいと考えていて、実現すれば、使える機器がさらに横に広がります」
スコットのパッケージ化は現在、「実質臓器」「内視鏡手術」「血管内治療」の3種類で開発を進めているという。
すでにスコットを使った臨床研究(手術)は、広島大学と信州大学で「脳腫瘍」「骨転移」「てんかん手術」で行われている。同研究所のハイパースコットを使った臨床研究は来年3月に1例目を行う予定。当面は脳腫瘍を対象に、初年度は30例の臨床研究を目指している。
また、実用化としては2020年に「スタンダード」モデルを販売する予定。自動車に続く日本の輸出産業として、海外への販売も視野に入れているという。
▽1986年神戸大学医学部卒。東京女子医科大学脳神経センター、米国ペンシルベニア大学留学を経て、06年東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所。11年から現職(脳神経外科兼任)。〈所属学会〉日本脳神経外科学会、日本脳腫瘍学会、日本コンピュータ外科学会、日本生体医工学会など。