再発率が低く傷も残らない子宮動脈塞栓術で子宮筋腫を治す
それは「筋腫が大き過ぎる」ケースだ。治療の縮小効果も限度があるので、適応になるのは筋腫による腹部の膨らみがヘソくらいまでの患者。それ以上だと、薬による対症療法で経過観察するか、全摘するしかない。子宮筋腫の症状は、閉経を迎えれば自然と改善していくという。
また、妊娠を望む人も基本的には対象外になる。UAE後、妊娠にどう影響するのか医学的なエビデンスがはっきり分かっていないからだ。
「ただし、術後の癒着は筋腫核出術よりUAEの方が少ない。核出術では子宮へのダメージが大きいと考えられれば、UAEを検討する場合もあります。当院では33~35歳の患者さん3例で、UAE後に妊娠・出産しています」
UAEを受ける患者の平均年齢は42.3歳。ほとんどが他院で「全摘しか治療法がない」と言われて来院するという。
▽1986年、日本医科大学卒。慶応義塾大学医学部放射線科助手、川崎市立井田病院放射線科医長、葉山ハートセンター放射線科部長・UAEセンター長を経て、府中恵仁会病院。2016年から現職(副院長兼務)。〈所属学会〉日本医学放射線学会、日本IVR学会、日本産婦人科学会など。