秋の物悲しさはこれで解消 悲しくなったら空を見ろ
2009年には身体空間と感情との関係において新たな仮説が提案された。「身体特異性仮説」だ。自分の身体を中心とした空間において、「上」「右」はポジティブな感情が、「下」「左」はネガティブな感情が紐付けされているという。実際に、上方向への運動をしているときには下方向への運動の場合に比べて良い思い出を多く想起することが報告されているという。「左」「右」の感情は左利きの人では逆転するという。
この仮説を支持するものに米国大統領選での候補者演説の研究がある。右利きの候補者は良い話題をするときは右手のジェスチャーが左手のそれより多く、左利きの候補者はその反対の傾向が見られたという。
感情を動作によって調整できる可能性があることはデジタルデバイスを使った実験でも証明されているという。山田准教授を含む研究グループは、液晶ディスプレイを指を滑らせて操作する
「スワイプ」が感情をどう変化させるかを調べた。
実験では参加者に2つのことをお願いしたという。①タッチパネルで示された画像に対する感情を-3~+3の7段階で評価する。②画像が消えた後に画面に黒色のボールが出たら、瞬時にそれにタッチしてずらしながら画面の「上」もしくは「下」に動かす、だ。