長引く腰痛の陰に…難病指定「強直性脊椎炎」の可能性が
ところが日本人はHLA―B27の陽性率が極めて低く、かつ、HLA―B27陽性のうち強直性脊椎炎の患者が占める割合も極めて低いため、血液検査から早期診断に至るケースはまれだ。
■新薬登場で症状のコントロールが可能に
この段階では、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の投与や運動療法などの治療がまず行われる。
経過観察で、強直性脊椎炎に移行するかどうかをチェックするのも重要。強直性脊椎炎では、TNF阻害薬や昨年12月承認のIL(インターロイキン)―17阻害生物学的製剤なども用いる。
「強直性脊椎炎ではIL―17に誘導される炎症が中心的役割を果たしているため、IL―17を阻害する今回の薬は有用性が高いと考えられます」
強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎は治る病気ではないが、治療で症状をコントロールすることは可能だ。まずは、適切な診断を。