血小板は肝臓の悪化を見抜く指標 20万個未満は肝炎の疑い
では、血小板が少ない時は、どうか。急性白血病やHIV、悪性貧血などが考えられますが、見逃せないのは肝機能との関係でしょう。実は肝機能の低下と血小板数の低下は連動しているのです。
20万個未満は軽症の肝炎で、17万個未満は中等度、15万個未満は重症になり、13万個未満は肝硬変に突入し、10万個未満で肝臓がんの可能性が高いといわれます。
血小板のベースとなるタンパク質は、80%が肝臓で作られるため、飲み過ぎや食べ過ぎによる脂肪肝などで肝臓が持続的に炎症にさらされると、血小板の合成が減り、血小板が少しずつ減っていくのです。
お酒を飲まれる方は、γ―GTPを気にされますが、血小板の数値も注意してください。特にお酒が強い人ほど、γ―GTPに異常を来さず、じわじわと血小板の数値が減少していることがあるのです。
肝炎のうちに治療すれば良くなりますが、肝硬変、ひいては肝臓がんになると、治療が難しくなりますから。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)