成功率は10万人に2人と…歌手・音々さん脳腫瘍を振り返る
しゃっくりとMRIの関連がわからないまま、すぐに紹介された池袋の画像検査専門のクリニックに向かい、MRIを撮りました。翌朝、脳神経外科に行くと画像が届いていて、「大きな脳腫瘍が見つかりました」と言われたのです。
腫瘍は良性だったのですが、できた場所が延髄という脳の最下部、首の後ろ付け根辺りで、いろんな神経が集まる場所でした。
痺れはもちろん、しゃっくりの原因も腫瘍のせいだったようです。私の場合、腫瘍が少しだけ左側に寄っていたのでセーフでしたが、大きさ的には呼吸器を塞ぎかねないほどで、寝ている間に息が止まって、朝亡くなって発見されるケースもあると聞きました。
医師からは「10日以内に手術しないと命の保証はできません。手術の成功率は10万人に2人。手術をしても半身不随の可能性があるので覚悟してください」と言われました。でも、元気だったので事の重大さをまったく理解できませんでした。
「20日のライブに絶対出る!」と医師に強く言い張ると、家族全員が病院に呼ばれて親族会議になりました。私は「良性の腫瘍なんて外にあればイボ。手術はライブ後に受ける」と抵抗したのですが、母親に「生きていてほしい。生きていればライブはいくらでもできるんだから」と諭されて、手術にしぶしぶ同意させられました。しかも、手術はライブ前日。脳神経外科を受診してから10日以内に本当に手術することになったのです。