米誌で報告 サプリメントや食習慣は健康にどう影響するの
サプリメント(栄養補助食品)の摂取や食習慣の改善が、将来の健康にどのような影響をもたらすのかについて、質の高い研究データは多くはありません。そんな中、最新の研究論文が2019年7月9日付で米国内科学会誌電子版に掲載されています。
この研究は2019年3月までに報告されたサプリメントや食習慣改善に関する277件の研究結果(99万2129人分のデータ)を統合解析したものです。解析の結果、塩分を控えることは死亡のリスクを10%、統計学的にも有意に低下させることが示されました。特に高血圧患者では、心臓病による死亡リスクが33%、統計学的にも有意に低下するという結果です。
また、魚油の主成分であるN―3系多価不飽和脂肪酸(EPAやDHA)の摂取は、心筋梗塞の発症リスクを8%、心筋梗塞や狭心症を含めた心臓病全体の発症リスクを7%、統計学的にも有意に低下させることが示されています。さらに、葉酸サプリメントについては、脳卒中の発症リスクを20%、統計学的にも有意に低下させるという結果でした。
他方で、カルシウムとビタミンDの併用は脳卒中の発症リスクを17%増加させることが示されました。また、ビタミンB6、ビタミンA、マルチビタミン製剤、抗酸化サプリメント、鉄分、脂質を抑えた食習慣などについては、死亡リスク及び心臓病の発症リスクに明確な関連性を認めませんでした。
解析に含まれた個々の研究結果が妥当なものだったか、議論の余地はあります。とはいえ、健康的な食事に興味のある方は、塩分を控えることに加え、ビタミンDやN―3系多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれる魚類、葉酸が多く含まれる緑黄色野菜やレバーなどを適度に摂取すると良いかもしれません。