英誌報告 100%フルーツジュースでもがんリスクは高くなる
砂糖で甘味を付けた飲料(ジュース)の飲み過ぎは、健康に良くないイメージがあります。実際、砂糖入り飲料の摂取は、肥満や糖尿病、高血圧の発症リスクを高めるという研究が報告されています。肥満はまた、がん発症のリスクファクターだと考えられていますが、英国医師会誌電子版に甘味を有する飲料とがんの発症リスクを検討した研究論文が2019年7月10日付で掲載されました。
研究ではフランスに在住している18歳以上の10万1257人(平均42.2歳)が対象となっています。被験者は、インターネットによる食事アンケート調査に基づき、甘味を有する飲料について、摂取量の最も少ない集団から最も多い集団まで4つに分けられ、がんの発症リスクが検討されました。なお、結果に影響を与えうる、年齢、性別、摂取カロリー、飲酒・喫煙状況などの因子について、統計的に補正を行い解析をしています。
中央値で5・1年間にわたる追跡調査の結果、100%フルーツジュースを含む砂糖入り飲料の摂取が最も少ない集団と比較して最も多い集団で30%、統計学的にも有意にがんのリスクが増加しました。また100%フルーツジュースに限定して解析してもがんのリスクが14%増加しました。他方で、人工甘味料入りの飲料ではがんリスクの増加は見られませんでした。