娘の元気な姿を見せることも介護のひとつの形だと思う
6年前から自宅で母親(90)の介護を真摯に続けながら、歌手活動を両立させている安倍里葎子さん(70)は、来年デビュー50周年を迎える。
「50年という歌手の節目ですから、全国50カ所でコンサートやディナーショーを企画しています」
前向きな発言だが、ひとりで母親を介護する心身的苦労は半端ではない。
最初、両足が不自由な母を自宅で介護したが、体力が追い付かず、仕事に支障をきたすようになる。ひとり介護は1年で卒業してケアマネジャーの助けを借り、ショートステイを経ていまは「小規模多機能型居宅介護施設」(1割負担。本人の選択で通い、宿泊が自由な施設)を利用するようになったという。
でも安倍さんは、できる限り自宅で生活させてあげたいと、月の3分の1は老人ホームに母親を迎えにいく。
「基本的に母親は車椅子生活です。24時間気が抜けない身の回りの世話で、私も倒れたらどうしようもありません。歌手活動も介護も、歯を食いしばって頑張っているの」