【心房細動】予後が悪い脳梗塞や心不全につながる危険あり
心房細動にプラスして脱水状態になって血液がドロドロになると、心臓内で血栓ができやすくなる。それだけ猛暑はリスクが高いといえるのだ。
■まずは脱水の予防が大切
すでに心房細動を抱えている人はもちろん、自分は大丈夫だと思っている人も注意が必要だ。心房細動は、きちんと診断されないまま放置されている場合が少なくない。自覚症状が「体が重い」とか「疲れやすい」といった軽いケースも多く、普段から脈拍を測るなどして注意していないと、なかなか気付かないのだ。猛暑で体調が優れず夏バテだろうと思っていたら、突然ろれつが回らなくなり、心房細動による心原性脳梗塞だったという事例もある。
「心房細動は、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を抱えている人や、その予備群で発症リスクが高くなります。心当たりがある人は脱水を起こさないような対策を講じることが重要です。基本は適度に水分を補給することで、できれば経口補水液が望ましい。脱水状態で失われるナトリウムやカリウムといった電解質と糖質がバランスよく配合されているからです。それらが含まれているスポーツドリンクを飲んでいる人も少なくありませんが、スポーツドリンクには塩分や糖分も多く含まれています。高血圧や高血糖を抱えている人や高齢者は飲み過ぎがマイナスになる場合もあるのです」(天野氏)