成人なら感染している「キス病」どんな人が発症するのか
思春期以降の感染では、飲み回しなどが一番の原因とされている。
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は300日。キス病の主な症状は、極度の疲労感、39度前後の発熱、喉の痛み、首の周囲のリンパ節の腫れ。症状は出ないが半数が脾臓(ひぞう)の腫れ、2割が肝臓の腫れを合併する。
特別な治療法はなく、発熱や痛みに対して非ステロイド系抗炎症薬(エヌセイズ)などを使った対症療法が中心になる。
1~2週間ほど安静にしていれば、ほとんどの人は通常の生活に戻れるという。ただし、脾臓が腫れている場合には破裂する恐れがある。1カ月くらい経過して超音波検査で脾臓の大きさが正常に戻るまでは、重い物を持ったり、激しいスポーツは控えることが大切になる。
EBウイルスは感染後、体内の主に白血球の中にとどまり、感染者は唾液中にウイルスを周期的に排出している。しかし、いつ排出しているかは症状がないので本人にも分からない。
「子育ての時代の変化によって、大人になって異性からEBウイルスに感染し、キス病を発症するケースは増えていると思います。それは市販の離乳食が豊富になったり、虫歯菌の感染を心配したりして、親が口で軟らかくして食べさせるようなことが少なくなってきているからです」
できれば、乳幼児のうちに感染させてあげた方が、本当は子供のためになる。大人になってからの発症は重症化しやすいので注意しておこう。