線虫が85%の確率でがん発見 来年1月の実用化で何が変わる
■効率よく患者を特定
「資料によると、がん患者ががんにかかっていることが判明する敏感度が95%、がんでない人を特定する特異度が95%と、驚くほど効率よくがん患者を見つけることができます。従来の血液検査や尿検査の精度を超えた正確さ。おそらくがん細胞が何らかの物質を出し、これを線虫が嗅ぎ分けるのでしょう。ということは、このにおい物質の正体を突き止めれば、がんがなぜ発生するのかを解明できる。10~20年後にすごい治療薬が開発されるかもしれません」
左門氏によると、検査を受ける人が増えれば費用は値下げされるだろうし、いずれ薬局などに「N―NOSE」の検査機器が設置され、一般客が手軽に尿検査を受けられるようになるかもしれない。そうなれば、がんの死亡率は格段に減るという。ということは医者は要らなくなるのか。
「『N―NOSE』は体内にがんがあることは分かっても、どこにできているかは分かりません。場所を突き止めるための診察に医師は必要です。ただ、検査で場所まで分かるようになったら医師の数が減るかもしれませんが……」(左門新氏)
来年1月、大騒ぎが始まるかもしれない。