著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

過去に親しんだテキストをもう一度、引っ張り出してみよう

公開日: 更新日:

 このエピソードが示すように、高齢者は自分の好奇心を常に大切にし、機嫌よくそれを満たすように行動すべきだ。認知症の予防、進行の抑制に大いに役立つ。子どもはそのことを忘れないほうがいい。認知症であるかないかにかかわらず、読書、音楽、スポーツ、各種の娯楽など、親の好奇心の芽を摘まないように心がけるべきだ。将棋、囲碁、麻雀はもちろん、生活に支障をきたさなければ、趣味程度の競馬、競輪などの公営ギャンブルも無理にやめさせる必要はない。現在、大きな議論となっているカジノは別だが……。

 前回のコラムでも触れたが、現在82歳の漫画家の東海林さだお氏は、認知症研究の第一人者である長谷川和夫氏との雑誌対談(「オール読物」11月号)の中で、認知症予防に有効な「脳を悩ますこと」について語っている。「最近、物忘れがだんだん激しくなってきていて、いつか認知症になるのではないかと不安なんですよ。今はまだ大丈夫だと思っているのですが……」と語った上で、最近、大学受験で使用していた「赤尾の豆単」(「英語基本単語集」赤尾好夫編)で英語を学び直していることを話されていた。「僕らは受験のときに色々なものをとにかく暗記しましたよね。でもそれ以降は暗記をする機会があまりありません。覚える、というのは同時に、忘れないための訓練」だとして、ボケ防止に有効であると語っておられた。漢詩の暗記にもチャレンジされているという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に