腎臓<上>自覚ない慢性腎臓病で心疾患・脳卒中のリスク上昇
「この患者さんを再検査するとGFR推算値は65と正常で、超音波でも腎臓の大きさや形に異常はありませんでした。なぜ健診時の血清クレアチニン値が高かったかといえば、もともとの食生活で塩分制限のしすぎと水分摂取量が少なかったのです。いくら健康志向といっても、高齢者の場合、塩分を控えすぎると体内の水分を保持できず脱水の状態になってしまいます。それで血液が濃くなり、血清クレアチニン値が高かったのです。水分もお茶や嗜好品などを含めて1日に1・5~2リットルは欲しいです」
腎臓が悪くなく、高血圧や肥満がなければ過度な塩分制限の必要はない。健康な人は塩分と水分が足りない脱水が腎臓に悪いという。このようにCKDの人と健康な人とでは、腎臓を守る食事制限が異なることを覚えておこう。