腎臓<上>自覚ない慢性腎臓病で心疾患・脳卒中のリスク上昇
腎臓は握りこぶしくらいの大きさの臓器で、ウエストの少し上の背中側に位置し、左右1個ずつある。役割は体内の老廃物を排泄したり、体内の水分や電解質の調節などを行っている。腎臓が分泌するホルモンの中には、血圧を上げる働きをするものもある。そのため腎臓病になると高血圧になったり、逆に高血圧があると腎臓病が引き起こされたりするのだ。
CKDは軽度~中等度は、ほぼ無症状。それ以上悪くなると、尿の濃縮機能が障害されるので、夜間にトイレで目が覚める「夜間頻尿」が見られたり、血圧が高くなることで何となく「だるい」「不眠」「頭痛」などの不定愁訴が表れる。しかし、これらの症状が出てしまうと、透析に至るリスクが一段階高まるという。
透析を防ぐには、無症状のうちにCKDを早期発見するしかない。そこで重要になるのが、普段、定期的に受けている健康診断の結果だ。
「注目する検査項目は、尿検査の『尿タンパク』と、血液検査の『血清クレアチニン値』と性別、年齢から算出した『GFR(糸球体ろ過量)推算値』です。尿タンパクが基準値以上やGFR推算値が60未満なら、きちんと再検査を受けた方がいいでしょう。健診結果にGFR推算値が記載されていない場合は、ネットで検索すれば血清クレアチニン値と性別、年齢を入力すると自動でGFR推算値を算出してくれるサイトがあります」