著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

志村けんさんは1日3箱 喫煙者は新型コロナ死亡リスクが3倍

公開日: 更新日:

 喫煙者には、ある受容体が発現することがわかっています。その状態で新型コロナに感染すると、ウイルスが肺の細胞に侵入し、攻撃にさらされやすくなると考えられています。

■50歳で禁煙すれば寿命は6年延びる

 COPDの人は、新型コロナ以外のウイルスや細菌の肺炎を起こしやすく、重症化しやすい。しかも一度発症すると、再び肺炎になりやすいこともわかっています。こうしたことが重なって、志村さんは負の連鎖により、命を失ったと思えてならないのです。

 スペインやイタリアなど欧州でも、新型コロナによる死者は1万人を超えています。その欧州のECDC(欧州疾病予防管理センター)も先月27日、「喫煙者が新型コロナウイルスに感染すると、重症化リスクが高い」と発表。その1週間前には、WHOも同様の警告を発しています。たばこが新型コロナの重症化リスクであることは、世界の共通認識といっていいでしょう。

 いま喫煙している人はぜひこれを機に禁煙してください。50歳で禁煙すると、そのまま喫煙を続けるより6年、60歳では同3年寿命が延びるといわれます。もっと早く35~40歳で禁煙すれば、喫煙前の余命を取り戻すことができるのです。

 今月から飲食店は原則禁煙ですが、既存店で客席面積100平方メートル以下などの条件を満たせば喫煙できます。その条件を新型コロナの視点でみると、密閉、密集、密接と重なり、リスクを助長することに。その点からも禁煙がベターです。

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