朝と夜の栄養バランスが重要 糖尿病の人は夕食は控えめに
朝食をとらない生活習慣は健康に悪い印象があります。実際、朝食を毎日食べる人と比べて、朝食を食べない人では死亡リスクが高まるという研究も報告されています。
ただ、たとえ朝食をとっていたとしても、朝夕の栄養バランスが悪いと健康的な食習慣とはいえないかもしれません。朝食と夕食の栄養バランスと死亡リスクの関連を検討した研究が、米国糖尿病協会が発行している糖尿病治療の専門誌に2020年4月30日付で掲載されました。
この研究では18歳以上の糖尿病患者4669人が対象となりました。研究参加者は食事の総カロリー及び、脂質、炭水化物、タンパク質の摂取量が調査され、それぞれ夕食と朝食の摂取差(夕食マイナス朝食)が算出されています。摂取差が高い人(夕食のほうが摂取量が多い)から低い人まで5つの集団に分類され、さまざまな原因による死亡のリスクが比較されました。
血圧やコレステロールの値など、結果に影響を与える因子について統計的に補正して解析した結果、総カロリー量の摂取差が最も低い集団と比較して、最も高い集団で、糖尿病に関連した死亡が1・92倍、心臓病による死亡が1・69倍、統計的にも有意に増加しました。タンパク質の摂取差についても同様に、糖尿病に関連した死亡が1・92倍、心臓病による死亡が1・96倍、増加するという結果でした。