下肢静脈<上>職場セルフケアで足の「筋ポンプ」を鍛える
貧乏ゆすりや「弾圧ストッキング」も効く
■立ち仕事中にできる運動習慣
【動けないときは】 動くこともできない接客業などの場合は、かかとを2~3㌢程度浮かした状態を2~3分間ほどキープする。1時間に2~4回ほど行うのがいい。
【動けるなら】 立ち仕事でも少し動けるのであれば、かかとの上げ下げ運動をする。かかとを2~3㌢浮かせた状態で、さらにかかとを上げて5秒キープ、下げて5秒キープする。これを10回ワンセットとし、1時間に1回ほど行う。
■デスクワーク中に静脈の負担を減らす習慣
本当はときどき立ち上がって歩いたり、屈伸運動をするのがいい。しかし、それも難しいなら、机の下の足元に高さ20㌢ほどの小さな台を置く。そして定期的に、左右のあしを交互に台に乗せる、降ろすという動作を繰り返す。
また、オフィス内の周囲の人に迷惑がかからないようなら「貧乏ゆすり」も足の健康にはいい。
■昼の休憩時は足を高くする
下肢静脈を休ませるには、横になるのが一番いい。ソファなどを使えるのであれば、マットやクッションを足の下に置き、心臓よりも足の位置を高くする。横になるのが難しいなら、椅子を2つ使って、片方の椅子に足を乗せて休む。
「すでに下肢静脈瘤がある人、自覚症状のある人、立ち仕事の人に、特に勧めたいのは日中に『弾性ストッキング』をはく習慣です。足首に最も強い圧力をかけ、上へ向かうほど段階的に弱い圧力をかける仕組みで、血液を上へ押し上げるサポートをしてくれます。しかし、結構はきにくいので『ハイソックス』でもかまいません。効果は同じです」
次回は、下肢静脈瘤の進行を防ぐ体操を紹介する。