コロナ感染拡大の主流は空気感染ではないのか 学会で講演が

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 気になるのは日本を含む世界各国の行政・医療機関が新型コロナ対策の参考にする、米国疾病対策センター(CDC)が、「新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路に関する見解」を10月5日付で改定。初めて空気感染を新型コロナの感染経路として認めたこと。日本でも空気感染への一層の対策が必要と考える研究者は少なくない。

 実際、10月3日の第61回日本臨床ウイルス学会学術集会で「新型コロナウイルス感染症拡大は空気感染が主流」とする講演が行われた。講演者は国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルス疾患研究室長の西村秀一氏。同氏は「マスクや空気感染対策をしなければ感染拡大は続く」と警告したという。その理由として、「接触感染ではクラスターは発生しない」ことを挙げている。

 接触感染の経路は目、鼻、口の粘膜で割合の大きいのは鼻。普通に触っても粘膜でない鼻前庭部にとどまるため感染することはなく、多くの人が同時に感染するクラスターはありえないという。

 公衆衛生に詳しい岩室紳也医師は「飲食を伴う場所でクラスターが多く発生していることは明らかなので、接触感染ではクラスターは発生しないというのはどうかと思うが、空気感染と予防対策が同じエアロゾル感染を否定はしない。日本では、エアロゾル感染という言葉でその可能性が広く伝わっており、その知識が『3密回避』や『換気』などの対策に生かされているという。しかし、暖房が欠かせず、『3密回避』や『換気』が難しくなる季節だからこそ、マスクの材質によってエアロゾルの吸入予防効果だけではなく、排出させるエアロゾルに差があることを踏まえ、マスクをするのであれば不織布マスクを選ぶ必要がある」という。

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