入院患者は他人に感染させる能力を持っているとは限らない
「ウイルス感染者=感染能力者ではありません。また、新型コロナで入院した人は感染力が強く、重症者はさらに強力というものでもありません。疫学データからは、感染能力があるのは発症2日前から発症後1週間程度です。新型コロナで亡くなるのは、ウイルスに過剰反応した免疫組織が暴走したり、血栓ができるからです。重症者が、他人にうつすほどのウイルス量を維持し、排出しているかどうかはわかりません」
新型コロナで亡くなった人が、ウイルスの毒性で亡くなったのであれば遺体は究極の毒物であるはずだ。しかし、国の「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」(2020年7月29日)では「感染リスクは低い」としている。
「仮に重症の患者さんのウイルス量が多いとしても、それだけで感染力が決まるわけではありません。それには飛沫を飛ばす能力が維持され、排出されるウイルスが感染性を持つ正常なウイルスでなくてはいけない。しかし、ウイルスには完全と不完全なものがあり、不完全なものは感染力がないばかりか、完全なウイルスが増殖するのを邪魔します。PCR試験では完全ウイルスだけではなく、不完全ウイルスも増幅されます。感染性はPCR試験では判別できません」