白血病と闘う能楽師の武田文志さん「医学の進歩を知った」

公開日: 更新日:

 よくよく考えると、20代までは「自分のための能」、30代に入ると「能のための自分」でした。そして、白血病を境に能と自分の関係はさらに変化しました。そもそも能は「人々の寿命を永らえさせ、幸せを増長させること」を目指す芸。シンプルに言えば「世のため人のため」にあります。私が病気をしたのも罰ではなく、世のため人のために生かせる経験だったと捉えました。これまで以上に人々の寿命を永らえさせ、幸せを増長させるよう活動していくのが私の役目だと感じています。

 今も「タシグナ」という白血病の特効薬は飲み続けています。不思議なのは、病後、大体年に1度は3~4日間の休養を余儀なくされるようになったこと。ある年はノロウイルス、またある年はインフルエンザ。昨年は後厄のせいか、声帯ポリープ手術、ギックリ首、インフルと一通り経ました(苦笑い)。年齢もあるのでしょうが、強制的に休養を与えられているようです。方々にご迷惑をおかけして申し訳ないとは思いつつも、悪いことと捉えず、みんなデトックス(解毒・排出)だと受け止めるようになりました。

(聞き手=松永詠美子)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース