「死ぬんだろうな」と思った…樋口大悟さん白血病との闘い
移植後には心膜炎になって痛みで死ぬかと思ったり、風疹にかかったりもしました。なにしろ移植の前に自分の免疫力をゼロにしていますから、移植後は0歳の赤ちゃんと同じような“弱い”状態なんです。退院後も細菌やホコリは禁物。飲食店で出される水はもちろん、ペットボトルの水も開封して30分以上たったら飲んではダメと言われました。
骨髄移植を受けて変わったのは髪質ですね。髪と肌は血の影響を受けやすいといわれています。僕も髪がすごく柔らかくなりました。女性の髪を触っているような感じなので、寂しい時は便利です(笑い)。それを女子大の講演で話したら、会場が「しーん」としましたけどね(笑い)。
でも、それは同時にドナーさんに感謝する時間でもあります。「関西在住、30代(当時)、女性」。ドナーさんについて教えてもらえるのはそれだけなので、会ってお礼を言うこともできませんが、感謝は年々大きくなるばかりです。どこかでお元気でいてくれたらいいなと思っています。
(聞き手=松永詠美子)
▽ひぐち・だいご 1977年、新潟県生まれ。得意の空手を生かしアクション俳優を目指していた25歳のときに白血病を発症。30歳で骨髄移植を受ける。現在、映画、CM、広告などを中心に活躍中。「ピタットハウス」のCMや、映画「生前葬~はみ出し者の逝く末」「カメラを止めるな!」などに出演。現在、企画、原案、主演を本人が務める映画「みんな生きている~二つ目の誕生日~」の製作をクラウドファンディングで挑戦中。今月25日に募集が終了する。