著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

俳優の綿引勝彦さんが膵臓がんで他界…CTやMRIで早期発見を

公開日: 更新日:

「投了すると伝えてくれ」

 先月30日に膵臓がんで亡くなった俳優の綿引勝彦さん(享年75)は息を引き取る直前、妻で俳優の樫山文枝さんにそう呟いたそうです。樫山さんは「夢うつつの中で将棋を指していたのでしょうか。これで人生を投了するということでもあったのでしょうか」とマスコミへのコメントで振り返りながら、「最期は眠るように逝きました」といいます。

 報道によると、綿引さんは3年前に膵臓に進行がんが見つかったそうです。その後、肺への転移が見つかり、化学療法を受けていたそうですが、昨年11月に積極的な治療を打ち切って、自宅療養に。体の負担が重い治療を避け、緩和ケア中心に切り替えたということでしょう。

 綿引さんの2週間ほど前に亡くなった俳優の浅香光代さんも「痛みを感じることなく、やすらかに永眠しました」と報じられました。こちらも緩和ケアがうまくいったことが推察されます。

 一般の方は「積極的な治療の打ち切り」に首をかしげるかもしれませんが、がんの末期に緩和ケアを上手に取り入れるのは悪いことではありません。樫山さんは「(夫と)慰め合いながら、特にこの1年は2人で寄り添えたのが幸せでした」と語っていますから。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した