ワクチンは効果ありそうだが…集団免疫は獲得できるのか?
そこで注目されるのがイスラエルだ。ワクチン接種が世界最速で進んでいるからだ。人口920万人のこの国では1月21日時点でおよそ27%に当たる244万人が1回目のワクチンの接種を終えている。
「問題はワクチン接種の効果がいつ表れるか、です。イスラエル保健省のワクチン接種に関する暫定数値によると、接種後7日以内の感染が確認されたのが4484人、8日から14日以内が3186人に対し、15日から22日経過した人では、353人でした。ワクチン接種後の入院人数は、375人で、そのうち、接種から2週間を超えている人は7人でした。このことからワクチンは接種後約2週間で免疫を獲得すると推定されます」(林院長)
一方、イスラエルの累計回復者数は22日までに49万7347人。つまり、イスラエルでは免疫を獲得すると考えられる人は2月上旬には約294万人と人口の3割を超えることになる。イスラエルのネタニヤフ首相は「ワクチン接種がこのままうまく進めば、2月にもパンデミックを脱することができる可能性がある」と語っている。それはその時点で集団免疫が完成すると考えているからではないか。
むろん、中和(ウイルスを不活化する)抗体を得られたとしても、いつまで効果が続くかはわからない。とはいえ、イスラエルの今後は、東京五輪を含めた、世界の近未来を占うことになりそうだ。