著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

効果が科学的に証明されていないサプリでも健康になれる?

公開日: 更新日:

 複数のビタミン成分を配合したサプリメントである「マルチビタミン」は、栄養バランスの乱れを改善し、健康に良い影響を与えるイメージがあると思います。しかし、心臓病脳卒中の予防、認知機能の改善などを検討した研究では、いずれもマルチビタミンの有効性は示されませんでした。

 ただ、体に良いと言われるようなサプリメントを飲んでいると、なんとなく健康的になったように感じることもあるでしょう。マルチビタミンの摂取と自己申告による健康状態の関連を検討した研究論文が、2020年11月4日付で英国医師会誌のオープンアクセスジャーナルに掲載されました。

 この研究では、米国の国民健康調査のデータから、2万1603人が解析の対象となりました。解析対象者はマルチビタミンを摂取していた人と摂取していない人に分けられ、自己申告による健康状態が比較されています。健康状態は「悪い」「普通」「良い」「とても良い」「非常に良い」の5段階で評価され、「良い」~「非常に良い」と回答した人を健康状態が良好な人と定義しています。なお、結果に影響しうる年齢、性別、教育水準などの因子について、統計的に補正して解析されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…