コロナ禍の面会制限 「最期のタイミング」を合わせるのは難しい
コロナの流行からもう1年半以上も病院の面会は制限され、家族と顔を合わせるのはスマートフォンの画面だけという入院患者が多くなりました。それでも、退院できる患者はなんとかガマンできるかもしれません。しかし、看取りにおいてはどうでしょう?
面会時間の制限から、緩和病棟に勤める医師や看護師が「最期のタイミングを合わせたいと考えるストレス」は、なかなか厳しいものだと思います。命がいつ終わるのか。ぎりぎりになっても、そのタイミングは分からないことが多いのです。たくさんの患者の看取りの経験をしても、そうなのです。
■「間に合う」という事実は家族にとって大切
家族の中には、後々になっても「自分は親の死に目に会えなかった」と悔やまれる方もおられます。患者の最期を看取るために駆け付けた家族のひとりから、「今、息子がこちらに向かってもうすぐ着くのです。間に合うでしょうか?」と、たずねられたことは、何回も何回もありました。
ご臨終に間に合った、間に合わなかった。死に目に会えた、会えなかった。患者の意識がなくても、「間に合う」という事実は、家族にとってはとても大切なことなのです。