無症状の感染患者が接種しても問題ないのか 悪化はしない?
ファイザーやモデルナ社のmRNAワクチンは遺伝子情報をもとにしたワクチンだから、生ワクチンなどに比べればリスクは低いとされる。
【Q】世界での主流は「デルタ株」になっている。感染が再拡大している英国の国家統計局の統計(6月12日時点)によると人口の540人に1人が感染していて、そのほとんどがデルタ株によるものだという。デルタ株にワクチンはどう対応すべきか?
【A】「デルタ型、従来型、アルファ型(イギリス型)の3つの型の遺伝子情報を混合してワクチンをつくれば、ほぼ収束に向かってくると思われます。理論的には最も簡単な方法で、メーカー側もおそらく多くの症例を検討できるインドなどでそのⅢ相の臨床試験をやっていると考えられます。ウイルス感染症が減るほど、新たに発生する変異型も確率的には減少していくので、勢力は衰えると思います」
モデルナ社は、6月29日にモデルナ製ワクチンの2回目接種の1週間後に血漿サンプルを採取した研究で、南アフリカで最初に発見された「ベータ株」、「デルタ株」「カッパ株」などインドで確認された3種類の変異株に対し、中和抗体が生成されることを発表した。検証データの少ない初期段階の結果だが、明るい兆しも出ている。
デルタ株に感染した人の65%はワクチンを「未接種」というデータもあり、子どもや20代などの若い世代が接種し、接種後もマスクはすることなどの対策を講じれば、状況は抑えられる可能性が高い。