拒食症・過食症の根治につながるか…注目の調査結果が発表

公開日: 更新日:

■日本では親子関係が重要なリスク因子

 対象となった摂食障害患者は日本人が96人、米国人は137人。

「結果は、日本人では完璧主義な性格に加え、家族の不仲、親からの高すぎる期待、親の不在、親の精神状態といったものが重要なリスク因子であることが示されました。一方で、米国では重要なリスク因子だった虐待や家族の肥満は、日本では示されず、認識の違いや肥満人口の差とも解釈されました」

 これを受け、宗准教授が強調するのが、摂食障害治療における親子関係の重要性だ。

「拒食症は単なる食欲不振ではなく、過食症もただの食い道楽ではありません。『飢餓でも空腹感を感じられない』『味覚の毀損から、いつまでも満腹になれず食行動が止まらない』といった身体感覚の異常(失体感)が背後の病理として存在します。そしてそれは、幼い頃から繊細な性格のために周囲に気持ちを理解してもらえない中で、大切な『本音感情』を感じる力が低下し、そのしわ寄せでどうでもいいことには過敏になってしまっているところに原因があります。これを理解しなければ摂食障害の根治には至りません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も