著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

母親を亡くした息子が怒りをあらわに…重要性を痛感したACP

公開日: 更新日:

 先日、埼玉県ふじみ野市で、訪問診療中の医師が散弾銃で撃たれて命を落とすという痛ましい事件がありました。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。

 同じ在宅医療に従事する者として、他人事ではなく衝撃をもって受け止めると同時に、在宅医療そのものを改めて見直す分岐点になる事件ではと考えたのでした。読者の皆さんはどうお感じになられたでしょうか。

 私たち医師やスタッフは常に患者さんがより良い状態にあることを目指し仕事をしています。そしてそのことを患者さんやご家族も理解し受け止めていただいているものだと信じて疑いませんが、このように思いがけず残念な結果を迎えることもあるということなのです。

 以前、そんな患者さんのご家族との、微妙な関係を思い知った出来事がありました。

 あれは2021年10月ごろ。息子さんと95歳のお母さまの2人暮らしのお宅でした。

 息子さんはいつも笑顔で出迎えてくれ、私たちとの関係は良好と言えるものでした。お母さまは尿路感染症を繰り返し患い、息子さんからは毎日4~5回、LINEや電話で状態が伝えられるという状況が続いていきます。もちろんその都度お返事はするのですが、時に深夜や繁忙時には、申し訳ないなと感じながらも、長いご連絡に対してお返事が数行になることもしばしばありました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キムタクがガーシーの“アテンド美女”に手を付けなかったワケ…犬の散歩が日課で不倫とは無縁の日々

  2. 2

    生島ヒロシが“一発アウト”なら「パーソナリティー一斉退場」の声も…“不適切画像”送信降板とTBSラジオの現状

  3. 3

    東野幸治とハライチが春の番組改編で大ピンチ…松本人志、中居正広のスキャンダルでトバッチリ

  4. 4

    宮崎あおいが格闘技&YouTubeデビューの元夫・高岡蒼佑「表舞台復帰」に気を揉むワケ

  5. 5

    『いままでありがとうございました』

  1. 6

    「コネ入社は?」にタジタジ…10時間半会見で注目浴びた遠藤龍之介フジ副会長が、社長時代の発言を掘り返される

  2. 7

    元女子アナ青木歌音がTKO木下と「ホテルに連行」事件を巡り対立も…もう一人の"性加害"芸人もヒント拡散で戦々恐々

  3. 8

    笑福亭鶴瓶「スシロー」CM削除への賛否でネット大激論…「第3の意見」で過去の珍事が蒸し返されるお気の毒

  4. 9

    今年のロッテは期待大!“自己チュー” 佐々木朗希が去って《ようやくチームがひとつに》の声

  5. 10

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード